02.25.22:15
現実
漫画とかドラマとか非現実的だね。
俺はそういうの嫌いだから。
だって愛や夢だけで生きていけたら世の中こんなになってないだろう。
現実
ぼーっとしてる暇なんかないんだよね、だって現実に生きる俺は一秒だって休める日はないんだから。
いつもみたいに車を飛ばして仕事に向かった。
今日は時間に余裕があるから普段通らない道を行こう。
「にゃー」
「うわ……」
細い小道、飛び出してきた黒い猫をひいてしまった。
しかし…
猫に構ってる暇はない、仕事があるんだよ。
現実の時間は待ってくれない。
車をバックして仕事へ向かった。
ひいた猫はそのまま。
自宅に帰ってきたのは夜中の11時。
マンションの扉を開いたときだ。
「おかえり」
後ろから声がした。
「にゃー」
目の前が真っ暗になった。
目が覚めると朝だった。
時計をよく見ると日付は気絶した日の3日後だった。
仕事はどうした
電話をかけることにした。
「もしもし、部長ですか」
「にゃー」
「うわぁ!!」
なんで部長の携帯から猫の声が…
「とりあえず…」
服を着替えて外にでよう。
人はいなかった。
代わりにいたのは猫。
「にゃー」
「にゃー」
「やめろ……」
「にゃー」
「やめてくれ……」
「にゃー」
「にゃー」
「にゃー」
「やめてくれぇぇえええ!!」
翌日、ひいた猫を弔おうと事故現場へ向かった。
猫はいなかった。
「あ」
ドン!!
「うわ…」
と誰かが言った。
あれ…俺、ひかれた…よな…
でも目の前にいるのは…俺だよな…
目の前の俺はニヤリと笑ってこう言った。
「にゃー」
08.07.15:02
物書きの幻想~二の刻~
しばらく平らな道が続いた、森だと言うのに道がならされていた、それは意図的なものではなく、足のある者が森を歩くからだろう。
現代人が忘れた何かがここにはあるのかもしれない。
「なにやってるんだ?もう着いたぜ」
「あぁ、ありがとう」
目の前には白いドールハウスのような家が建っていた。
「綺麗な建物だね」
「家は綺麗だな、でも家の主の腹ん中は真っ黒だぜ」
「人の魔導書を盗んでいった人に言われたくないわ」
薬草だろうか中に葉が沢山入っている籠をもった金髪で可愛らしいカチューシャをした少女が腕を組み、立っていた。
「その袋の中ね?」
「返さないぜ、借りてるだけだぜ」
袋を後ろに隠す霧雨さん
「その大きさってことは図書館からも盗んだのね」
僕を無視しているのか、それとも怒りが先立ち僕が見えていないのか。
「そんなことより、修也が聞きたいことがあるらしいぞ」
「はぁ?修也?」
霧雨さんが指さすとカチューシャの少女がこちらを見た。
「どうも…」
「魔理沙がバカみたいに戻ってくると思ったら…初めまして私はアリス・マーガトロイド、聞きたいことって?」
「あぁ…僕の連れなんだけど、はぐれてしまって…このくらいの身長で桃色のマフラーをしているんだけど、見なかったかい?」
霧雨さんのに説明した時のように身振り手振りをしながら聞いてみる
「さぁね…でも…わかるとしたら…」
そこで言葉が止まってしまった。
「どうしたんです?」
「……魔理沙、あなた暇よね?」
「ん?あぁ」
マーガトロイドさんはまだ悩んでいるようだ。
「この手のことなら詳しい奴が1人いるわ…ただ…危険な道のりだし…私は忙しいの」
「は、はぁ…」
危険な道のり、ねぇ
「だから魔理沙がついていってね、魔理沙…行く場所は分かっているわよね」
霧雨さんの方を向いた
「あぁ」
「今から会いに行く人物はどんな人なんですか?」
「あぁ、八雲 紫っていってな境界を操る妖怪だぜ」
「境界?」
モノとモノとを分けることを言っているのか?
「まぁ、会いに行くっていっても場所はわからないからなぁ…最近は忙しく動いているらしいし…」
「妖怪も働くのか?人間を驚かしたり?」
「なる程、そういう認識なんだな、外界の妖怪ね認識って」
僕はなにか見当違いなことを言ったろうか?
「最近さ、外界とこの幻想郷の境界が曖昧なんだよ…幻想郷の妖怪が外界にでたり修也みたいな人間が幻想郷に入ったりな」
「だから八雲さんって人は曖昧な境界を正す仕事をしているってことですか」
「物分かりがいいな、バカじゃない奴は好きだぜ」
「それはありがとう、それで居場所がわからないのにどうやって会うんですか?」
行方しれぬ人を探すのはとても大変だと思うんだが。
こうやってとぼとぼ森の中を歩けば出会えるのだろうか。
「紫と仲良しなやつがいるからそいつに会いに行くんだ」
「その人なら八雲さんの居場所を知っているのですか?」
「うむ」
どうやら八雲さんは忙しく移動を続けているため居場所を特定することが困難らしい。
「気になったんだが、修也は苗字にさんをつけて呼ぶのが好きなのか?」
「好きというか…年頃の女の子をいきなり呼び捨てするのは失礼かと思って」
「そんなことないぜ…あ、じゃあ今から呼び捨てでな、魔理沙って呼んでくれ」
「霧雨さんがそれでいいならそう呼ばせていただくよ」
そうして僕たちは長い時間森を歩いた。
ここでは携帯電話も電源が落ちてしまい使えない。
腕時計すら動かない。
きっと時間が違うのだろう。
だからどれほど歩いたのだろうかわからない、だけど確かに長い時間歩いた。
やっと森が開けた、目の前には立派な神社があった。
それはどこか見覚えのある神社、しかしそれがどこなのかはわからない。
神社など毎年行く場所が変わる。
それについ先刻、神社にいたではないか。
ただ、なにか重要なことを…
「修也、ここは博麗神社だぜ」
名前に聞き覚えは無かった、ただの勘違いだったのだろうか。
「どっこにいるかなー」
魔理沙は誰かを探しているようだった。
「霊夢ー」
「だれー」
遠くから声がした。
02.11.18:41
物書きの幻想~一の刻~
僕はこれからどうしようか、問いかけた瞬間、答えは見つかった。
「天草さん」
もしかしたら彼女もここにいるかもしれない。
ならば誰かに話を聞かねばならない。
僕の目の前の森から煙が上がっている、どうやら火事ではないようだから誰かいるんだろう。
かなり歩きそうだが丘から下りることにした。
「はぁ…はぁ…」
丘を降り出して一時間くらい、足場が悪いこともあり僕の息は上がっていた。
インドア過ぎるのもよくないな…家に帰ったら少しずつ運動を始めよう。
「休憩しよう」
そう言えば先程から誰かに見られているような気がする。
気配は全くないが視線だけ感じる。
まぁ、先程から不思議なことばかり起こっているのだからさして気にする必要はないだろう、と言うか無駄だ。
「さて」
さっさと天草さんを見つけて帰ろう。
やっとの事で森まで来た、流石に足が痛い。
少し休もう。
丁度いい大きさの岩に腰をかけた
「ふぅ」
「また休憩か、根性ないやつだぜ」
「はぃい?」
そばにあった岩に腰かけると空から少女が降りてきた。
左手に箒を持って、右手に大きな袋を持った大きな黒いとんがり帽子をかぶった黒衣の少女だ。
「人間がひとりで森を歩くのは危ないぜ」
ゆっくり近づきながら言う
「君、なんか僕と普通に喋ってるけど、どちらさん?」
まるで昔から僕を知っているかのように友達のように話す少女。
「失礼なやつだな、名前を尋ねるときはまず自分からだぜ」
「あぁすまない」
名前を言っても魂を取られないだろうなぁ
「黒石 修也だ」
「修也か、私は霧雨 魔理沙だぜ」
あ、名前は人間っぽい
「霧雨さん」
「ん?」
「ひとりで歩くのは危ないって?」
野犬でもでるのだろうか
「んにゃ、この森には妖怪がでるんだよ、知らない人間はいないと思ったんだが…どうやら修也は外界から来たみたいだしな」
「あぁ…」
妖怪?
外界から来た?
「ここは…どこなんだ?」
「こりゃまた…知らない人間も珍しい、ここは幻想郷だな」
幻想郷?
幻想?
「夢なのか?」
「夢じゃないぜ、なんなら試してみるか?」
そう言うとなにかを袋の中から取り出した。
八角形で茶褐色の丁度手のひらくらいの大きさの。
八卦炉、といったところか。
「痛けりゃ夢じゃないからな」
「なにか魔法でも使うのか?見てみたい気はするけど、痛いのはイヤだな…それに自分の知らぬことをしゃべる、あったばかりの君が僕の夢に出てくるはずないじゃないか」
彼女はすこし考えると
「うむ…まぁ理解したならいいか」
なんとか難を逃れられたらしい。
確かに妖怪も怖いが、魔女だって変わらない。
「あぁ、そうだ聞きたいことがあるんだが」
「なんだ?」
「君より少し大きいかな、このくらい身長で桃色のマフラーをした女の子を知らないか?」
手でだいたいの高さを示しながら聞いてみる。
「さぁ…外界から来たやつが必ずしも人に出会えるわけはないからなぁ…飢え死んだやつも沢山いるぜ」
「そうか…」
それはまずいな、一刻も早く天草さんを見つけなくては。
ましてや彼女は妖怪や幽霊といった類は大嫌いだ。
「ありがとう、そう言えば森に入ってすぐに見えた家は君の家?」
「あれは違うな」
「そこまで案内してくれる?」
「んー……あーそれはなぁ…」
苦笑いをしながら袋をちらりと見た。
「だめなのか?」
「めったに外には出ないし、面倒なことは好きじゃないやつだからな」
うーん
「案内はしてくれないのか?」
「まいったなぁ…」
多分、袋に関係があるのだろう
「じゃあ方向だけでも…」
そう言うと彼女は頭を掻きながら言った
「一人は危険だし……人間が死ぬのを見るのはイヤだぜ……うーん…仕方ない…案内する」
どうやら観念したのか案内してくれることになった。
しかし、魔女といってもこんな少女がいるとは
頭はまだついていっていないが、なんだか楽しいことになりそうだ。
02.02.22:58
物書きの幻想~序章~
異変は突如、僕たちに訪れた。
気がつけば眠っていたのだ、そこは森の中。
夢ならばどれほどよかったことか。
僕たちは不思議な世界に迷い込んだ。
それはつい昨日の話だ
「先生ー!」
強くフローリングの床を蹴る音が家中を駆け巡る。
その音がだんだん大きくなる、そして僕の後ろで音が止んだ。
バタンッ
静かになったと思えばドアが勢いよく開いた。
「先生!」
耳が痛くなるほどの音量で叫ばれた。
「天草さん…そんなに大きな声で呼ばなくても聞こえているよ…」
何を慌てているのか、天草さんこと天草 雪梛は大きな声で僕を呼んだのだ。
「先生、次の取材場所が決まったんです」
「よかったじゃん」
「んな!もっと喜んで下さいよ!」
「何故?僕には関係ないぞ?」
そう、僕は妖怪のような非科学的なものを題材にしたただの小説家だ。
天草さんのような記者ではないので取材が決まろうが決まるまいが僕には知ったことではない。
そもそも僕はただ天草さんのいる雑誌編集部の扱っている雑誌に連載小説を載せてもらっているというだけなのだ。
天草さんとは決して特別な関係ではないし天草さんが何故僕の家に入り浸ることができるのか、それが不思議でならないのだが。
「それがスゴいんですよ!」
「なにがスゴいんだ?」
まぁ僕の母親が明るく元気な天草さんを気に入っているから簡単に家に上がれる、というのが原因だが。
「ある神社のお蔵に古い巻物があってなんでも妖怪退治に人が使ったものらしいんです」
「ふーん」
正直この手のものはガセネタの場合が多い、あまり興味はそそられないが。
自分自身、小説のネタも無いことだし天草さんが持ってきたネタだ…存分に活用させていただこう。
「興味なさそうですねぇ…一緒に行ってくださいよー」
「正直、興味は全くない…がネタにも詰まっているからついていくよ」
「やったー」
嬉しそうに飛び跳ねる天草さんを横目で見てから出掛ける準備をはじめた。
「先生ーこっちですよー」
「わかってるって」
立派な鳥居を抜ければこれまた立派で長い長い階段が見えた。
天草さんは跳ねるように軽快に登って行く。
「先生ー早くしてくださーい」
天草さんは日頃から走り回って取材をしているから体力はあるようだが、僕は家にこもって椅子と机の上で仕事をする、つまり体力などあるはずがない。
階段がつらいなんて僕はとことん若くない体力をしている。
これでも21歳なんだけれども。
「やっとついた…」
長い長い階段を登り終えてやっと賽銭箱が見えた、これにお金を入れたら小説も書きあがるだろうか。
「先生!こっちですよー」
天草さんはお蔵の方に向かっていた、しかし、なにかおかしい気がする。
「あれーお蔵、開かないよ」
「鍵が開いていないんだろ」
そうか…ここの神社の神主さんがいないのか。
「わかりました、呼んできますね」
天草さんはそう言うと神社の奥の方に走っていった。
彼女が戻るのを待って大体30分だろうか。
天草さんは戻ってこない、それどころか人の気配がしなくなった。
「おかしいな…」
流石に心配になってきた。
僕は天草さんを探しに神社の奥に行くことにした。
神社の裏で天草さんのボールペンを見つけた。
そうとう大事な物らしくいつも持っていた物だ。
そんな物を落とすくらいだ、やはり何かあったのだろう。
足下に靴の後がある、それはさらに奥の林の中に向かっていた。
さらに植木の葉の一部が大きく削れている。
「林の中にまで何の用で…」
僕は林の中に分け行っていった。
何も手がかりがないままどれくらい歩いたのだろうか。
林は思ったより広くどうやら森のようだった。
大分暗くなってきた、もしかしたら天草さんは戻っているかもしれない。
「戻るか…」
「どこに戻るの?」
「え?」
僕の目の前は夜の闇よりも暗く閉ざされた
目が覚めるとそこは見知らぬ森だった、どうやら僕は気絶していたようだ。
確かに僕は森にいた、だけど何かが違う。
ここは僕がいた森とは違う森だ、それにあの時の声は?
あれは天草さんの声ではなかった、ならば天草くんは?
僕の頭の中はぐちゃぐちゃだ。
「…勘違いかもしれない…神社に戻ろう」
薄暗い空がかろうじて葉の間から見えた。
そろそろ夜明けなのだろうか。
視界が開け赤い太陽が少しだけ見えた。
しかし、神社は見えなかった。
かわりにあったものは霧のかかった山や大きく広がる森、広い湖だった。
僕がいる場所は高い丘のようでその美しい光景はまるで幻想だった。
そう幻想だったのだ。